- 最終更新日:2023/12/07
トラックドライバー高齢化問題について調べてみた!
運び方知恵袋の一覧へ戻る最近、トラックドライバーの高齢化が叫ばれています。
日本全体が高齢化しているので、トラックドライバーに限った話でないのでは?本当なの?
と思ってしまいます。実際はどうなんでしょうか?調べてみました。
目次
トラックドライバーの平均年齢の推移
図1をみると分かるのですが、平均年齢が急激に上がっているのが分かります。2010年から2020年の期間で、全産業平均だと2歳程度の上昇ですが、営業用・大型が4歳程度、営業用・普通・小型だと3歳程度と大幅な上昇となっており、高齢化が深刻な様子が見て取れます。
トラックドライバーの年齢構成
国土交通省の資料*1によると、トラックドライバーの年齢構成は
・40歳以上が全体の70%超
・29歳以下は全体の10%未満
となり、他の職種平均の
・40歳以上が全体の60%超
・29歳未満は全体の16%超
に比べ、年齢層が高い層が多く若年層の割合が低いので、このままいくと物流の担い手が急激に減少していく傾向が読み取れます。
ある予測*3によると、「2028年度には約27.8万人のドライバー不足」が予測されているようです。これは、北海道函館市の人口(275,263人)、山口県下関市の人口(278,962人)、新潟県長岡市(281,411人)に匹敵します。*4
トラックドライバー不足に、解決策はあるのか?
高齢化だけがトラックドライバー不足の原因ではないと思いますが、トラックドライバー不足の解決策はあるのでしょうか?少し考えたり、調べてみました。
人を使わない・できるだけ使わないようにする
自動運転やドローンなどの技術革新を利用して人手不足を解消する案もありますが、現実味がないという声もあるようです。
人を増やす
高齢者採用や若年層や女性を活用するという案。高齢者は近距離輸送を担当してもらったり、若年層は、条件のよいほうに流れやすいようなので、いかに賃金や待遇などの「条件」をよくするかがポイントになりそうです。女性を活用する場合、トイレ・更衣室・休憩室などの環境改善が必要になる場合があります。
一度に運ぶ荷物を増やす
「ダブル連結トラック」(通常の大型トラック2台分の輸送が可能)の導入など、一度に運ぶ荷物を増やすような取り組みも考えられます。国は、長さ21mを超えるフルトレーラ連結車の緩和要件等を打ち出しており、ダブル連結トラック休憩施設の整備も行っているようです。
働く時間を増やす
今時ではないブラックな解決策ですね。ただ、現状でも約 4 割の事業所で時間外労働時間が年960時間を超えているドライバーがいる状況*5で、2024年4月1日からは「自動車運転の業務」の時間外労働が年960時間と上限規制されるようになります。ちなみに、この上限規制により懸念されているが、「物流の2024年問題」です。
運用面の効率化
トラックを長時間待機させるということを極力無くすようにする。トラックの荷受けを指定時間からトラックの運行に合わせるというように変更するなど。
まとめ
トラックドライバーの不足が叫ばれています。その原因として、担い手の若者がいない。高齢化。また、2024年の時間外労働の上限規制などが挙げられます。技術革新を利用したり、女性がはいりやすい環境を作るなどの対応も必要になると思いますが、上記「運用面の効率化」で記載した通り、顧客を巻き込んで今までの慣習を改め効率化を促進したり、貨客混載などをして、使えるものは使っていくことも大事になると思います。
近い将来、トラックドライバーの不足の影響でECサイトで買ったものが「翌日到着」ができなくなるか、「翌日到着」できることが今まで以上にECサイトの大きな差別化ポイントになるかもしれませんね。
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参考サイト、注釈
*1 国土交通省「トラック運送業の現況について」
*2 経済産業省・国土交通省・農林水産省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」
*3 公益社団法人鉄道貨物協会「本部委員会報告書」 p.104
*4 平成25年3月31日住民基本台帳年齢別人口に基づいています。
*5 (一社)静岡県トラック協会 ドライバーの雇用状況調査結果(令和4年 7 月)