- 最終更新日:2023/12/07
物流の2024年問題とは?一般消費者への影響は?
運び方知恵袋の一覧へ戻る20数年前、「コンピュータの2000年問題」というものが囁かれていました。
それは、2000年になると西暦を下2桁で処理していたコンピューターが日時を1900年と認識してしまいさまざまな誤作動が起き、停電がおきるだの、医療機器が停止するだの、飛行機の墜落するだのと危険性が報道されていたようです。結局、年が明け大きな問題が発生することなく、「拍子抜け」「取り越し苦労」で終わりました。
無論、エンジニアや関係者の皆さんが前もってしっかり対応してくれたお陰というのは言うまでもないですが。
調べてみるとほぼ毎年のように「X年問題」が取り沙汰されている[1]ようですが、今回の記事は「物流の2024年問題」です。これは、2024年4月1日から物流業界に生じる様々な問題を指します。
なぜ起きる?何が起きる?
「物流の2024年問題」は何がきっかけで起きるのでしょうか?
主に働き方改革関連法により2024年4月1日から「自動車運転の業務」の時間外労働が年960時間と上限規制されることがきっかけになります。つまり、ドライバーの方の労働時間が減る。それにより、モノの運べる量が減る。それにより、トラック運送業界の売上減少やトラックドライバーの方の収入減少、荷主企業の運賃上昇などの問題が発生すると考えられています。
「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」と言ったりしますが、ほかにも想定外の影響があるかもしれません。
時間外労働が年960時間の上限規制規制を守らない場合の罰則は?
この「時間外労働が年960時間と上限規制」ですが、罰則規定が設けられており、違反した事業者は「6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦」を科される可能性があります。
利益優先して時間外労働の上限規制を破ってしまった場合、かえって(お金や企業イメージも含め)大きな損害を招くリスクがあります。
一般消費者への影響は?
それでは、「物流の2024年問題」で一般消費者への影響はあるでしょうか?
- 宅配便などの配送料の値上げの可能性
- 配送サービスの質の低下の可能性(宅配の場合、再配達を行わない。再配達で追加料金が取られる。置き配が当然になるなど。)
- 配送で家やオフィスに来るのがロボットになる可能性(宅配ロボットやドローンによる配達)
- 「運賃上昇」⁼「物流コスト上昇」で、日用品の価格があがる可能性
また、一回の配送でより多く運べるように日用品の容器の形(より四角に近くなる?)や梱包(よりコンパクトになる?)が変わったりするかもしれないですね。
まとめ
働き方改革関連法の背景にある「働き改革」は、「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指して」[2]いるとのこと。本法律により、①この目標が達成されること、②この制度により想定外・想定以上の副作用が生じないことを祈るばかりです。
さて次回の記事は、「2025年問題 ~働き方改革関連法による副作用」にしましょうか・・・。
参考リンク
[1] : 2000年問題や2025年問題だけじゃない!20XX年問題一覧52選 社会人の教科書
[2] : 「働き方改革」の実現に向けて 厚生労働省